400年におよぶカツオ一本釣り漁の歴史をもつ中土佐町久礼。
「カツオのプロ」の英才カツオ授業が、久礼小学校で行わるということで私も生徒さんと一緒に参加させてもらいました。
【5年生 久礼大正町市場の売るプロから学ぶ、カツオの目利き授業】
久礼には「カツオのプロ」がたくさん。「釣るプロ」「売るプロ」「食べるプロ」。
今回の先生は「売るプロ」、久礼大正町市場「田中鮮魚店」店主の田中隆博さん。
久礼では400年前からカツオの一本釣り漁が行われ、町民と深く関わってきました。それ故にカツオにとても厳しく町民は「食べるプロ」。少しでも硬かったり臭みがあるカツオは食べません。
そんな町民に鍛えられて、久礼の魚屋さんはカツオをさばきながら、触った感触などで美味しいカツオを見分けていきます。久礼の鮮魚店の店頭には美味しいカツオしか並ばない秘密がここに!
そこで今日は美味しいカツオと、店頭には出さないカツオを当ててみよう!と、お皿に2種類のカツオの切り身が用意され食べ比べ。そして班ごとにどちらが美味しいカツオか、意見を出して発表!
さすが「久礼っ子」、ほぼ正解!しかも「血生臭かった」「血のにおいがした」「最後に苦い味がした」など小学生のコメントとは思えない渋さ!
では店頭に並ばなかったカツオはどうするかというと、削り節などの加工品にして無駄なく活用しているということで、久礼は昔からサステナブルな暮らしがあったのです。
【6年生 SDGsな久礼カツオ授業】
6年生は少し上級の「SDGs編」。この日も田中鮮魚店・田中隆博さんが先生です。
久礼のカツオ漁は、ほしい分だけ一本一本釣り上げる一本釣り漁。釣ったカツオはすべての部位を捨てることなく活用していることが紹介されました。
一番使い道のなさそうな「頭」も、伊勢エビ漁やタコ漁のエサとして使用。
そして今回はカツオのアラと馬糞堆肥を混ぜて作った「カツオ堆肥」を使用して、約50種類の野菜を農薬不使用で育てている「中里自然農園」さんのビデオメッセージがあり、野菜作りの様子などを見ることができました。
メッセージを見たあとは、カツオ堆肥で育てたニンジンを試食。ニンジンが苦手な生徒からも「甘い!」と驚きの声が上がっていました!
そしてカツオ堆肥も登場。まだカツオの骨などが残っていて、興味津々に見入っていました。
ちなみに馬糞などの臭いはもうありません。
久礼小学校5,6年生の授業を見学しましたが、久礼の子どもたちは日ごろからカツオをよく食べているだけあって知っていることも多かったです。それでもずっと昔から久礼の人たちがカツオを捨てることなく大事に食べて、活用する文化には新たな驚きがあったようです。
「かつお学校」で学んだ子どもたちの中から、将来「カツオのプロ」がたくさん育ちますように。
※久礼小学校より取材・撮影・掲載許可をいただきました。