中土佐町久礼の名物「ところてん」
これから暑くなると冷た~い「ところてん」が恋しくなりますね。
創業大正10年。100年以上にわたって久礼で愛されてきた老舗「高知屋」で製造を見学してきました。
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三代目の本井康介さん。
朝3時には工場に来て作業を始めるそうで、シーズンの3~9月は休みなしだそうです。
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高知屋の天草は、粘りのある瀬戸内海産とコシがある太平洋産をブレンドした100%国産の天草を使用。
色々と試した結果、この組み合わせがお互いの長所を引き出し、ところてん作りにぴったりなのだそうです。
奥の赤いほうは磯から上がってそのまま乾燥させたもので、それを2~3時間水に浸して天日で干す作業を4、5回繰り返すと、手前の白っぽい色の煮る前の仕上がった状態になります。
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天草を沸騰したお湯に入れ、かき混ぜながら2時間ほどドロドロになるまで煮詰めます。
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コトコト煮詰めたあと、2段階に分けて絞った汁を型枠に流し込み、常温でじっくりと時間をかけて固めます。
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固まったら、ところてん専用に作られた刃が付いた蓋のようなものを押して切ります。
これもコツがあり、迷いがあるとうまく切れないそうですが、さすが本井さん!すごい速さでどんどん切っていきます。
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型から外し水につけたあと、氷水の入った容器に移し冷蔵庫に入れて、あとは出荷を待つのみ。
1回に約1000食のところてんが出来あがりますが、この一連の作業をおひとりで行っているので見るからに重労働です。でも、ひとつひとつ手作業で見極めながら作るこの作業が美味しいところてんになるのですね。
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高知屋のところてんは、他のお店よりも少し大きいので「突き棒」も特注品です。
ところてんの出口がステンレス製のものが多いそうですが、高知屋は釣り糸の「テグス」を使用しています。
突いたときに、ところてんの繊維がギザギザに引っかかり、つゆがところてんに染みやすくなるとの事。
そして驚いたことに、突き棒は業者さんに作ってもらうそうですが、テグスは本井さんご本人が張っているのだそうです!!!
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この日はつゆは作っていませんでしたが、つゆもおじいさんの代から受け継がれてきた伝統の味で、四万十川流域の伏流水と、高知県産のカツオ節、数種類をブレンドしたおじゃこで出汁を取り、二種類の醤油で味を整えた、最後の一滴まで飲み干したいつゆです。
天草、つゆ、突き棒までこだわった老舗の味。
つるんと口に入れた瞬間、カツオの香りがふわっと広がり、つゆがよく絡んだところてんはいくらでも食べられそう。
ところてんの食べ方は地域によって、酢醤油や黒蜜などがありますが、本井さんは「カツオ出汁で食べるところてんを、全国に広めたい」と、今日もところてんと真剣に向き合い、老舗の味を守り続けています。
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【高知屋 店舗】
高知県高岡郡中土佐町久礼6543-2(久礼八幡宮前)
営業時間 10:00~15:00頃
休業日 月曜日・雨の日など不定休
電話 0889-52-4747
高知屋ホームページ→こちら
ふるさと納税サイト・ふるさとチョイス(中土佐町)→こちら